福山市生活衛生課homepageより

食中毒って何?

▼食中毒とは,食中毒の原因となる細菌やウイルスが付着した食品や,有毒・有害な物質が含まれた食品を食べることによっ
て,腹痛・下痢などの健康被害が起こることです。
また,人から人へ感染するコレラ,赤痢等の感染症であっても,食品を介して腹痛・下痢等が発生すれば食中毒として扱いま
す。
なお,栄養障害などは,食中毒に含まれません。

▼食中毒菌やウイルスが食品に付着しても,腐敗と異なり,「味」「色」「におい」が変わることはありません

▼主な症状は,胃腸炎(下痢,腹痛,嘔吐など)ですが,発熱,倦怠感など,風邪のような症状の時もあります。

▼通常,人から人に直接うつることはありませんが,腸管出血性大腸菌O157,赤痢菌,ノロウイルスなどは感染力が強いた
め,人から人へ感染することがあります。

 もし,腹痛,下痢,発熱など体に異常があるときは,医師の診察を受けましょう。


● 食中毒の分類




微生物
によるもの
細菌性 感染型 サルモネラ属菌,腸炎ビブリオ,カンピロバクター,エルシニアなど
毒素型 黄色ブドウ球菌,ボツリヌス菌など
その他 ウェルシュ菌,病原大腸菌(腸管出血性大腸菌O(オー)157などなど
その他の細菌性 赤痢菌,コレラ菌,リステリアなど
ウイルス性 ノロウイルス(旧名称:小型球形ウイルス)など
原虫類性 クリプトスポリジウム,サイクロスポラなど
自然毒
によるもの
植物性 じゃがいもの芽,毒キノコ,トリカブトなど
動物性 フグ毒,貝毒,毒カマスなど
化学物質
によるもの
誤用・不適正混入 農薬,殺そ剤,洗浄剤など
環境汚染物質 有機水銀,カドミウム,ヒ素,鉛など
アレルギー様のもの ヒスタミンなど
寄生虫
によるもの
生鮮魚介類や獣生肉
等から感染
アニサキス,顎口虫,トキソプラズマなど


● 主な食中毒の種類・症状と予防法
▼細菌性 (・・・生育条件が整えば,食品中で大量に増殖)
▼ サルモネラ属菌
特   徴
サルモネラ
牛・豚・鶏などの動物の腸管や,河川・下水等自然界に広く分布している。サルモネラには約2500種類以
上の血清型があるといわれ,その中でもサルモネラ・エンテリティディスによるものが多い。
サルモネラ・エンテリティディスは,家畜の腸管内に生息しているので食肉からの感染もあるが,鶏卵及び
鶏卵加工品が疑われる食中毒も多く発生している。
原因食品 主に,牛・豚・鶏などの食肉や卵などの畜産食品,ウナギ,スッポン等。
二次的に汚染された食品。
主な症状 急な発熱(38〜40℃),吐き気,嘔吐,腹痛,激しい下痢などの胃腸炎症状。
通常は4〜5日で回復に向かうが,症状が進むと有熱期間が2週間近く続くことがある。
潜伏時間 6〜72時間(通常12〜24時間)
予防方法 食肉・卵などを扱った器具・容器・手指は,そのつど洗浄消毒すること。
食肉や卵の調理の際は,食品の中心部まで十分に加熱(75℃1分以上)すること。
ひび割れた卵や破卵の使用を避け,また卵の割置きはやめること(生食用の賞味期限に注意)。
ネズミ・ゴキブリ等の衛生害虫を駆除すること。
ペットを調理場内にいれないこと。
▼ 黄色ブドウ球菌
特   徴
黄色ブドウ球菌
名前の由来は,顕微鏡で見ると,ブドウの房のように集まっていることから付けられた。
ヒトの生活環境に広く分布し,健康な人でも喉や鼻の中,毛髪などからでも検出される。
この菌は増殖する時にエンテロトキシンという毒素をつくり,この毒素を食品と一緒に食べることによって食中毒がおきる。
菌は熱に弱いが,毒素は100℃30分の加熱でも分解されない。
原因食品 おにぎり,仕出し弁当,生菓子など。
主な症状 特に吐き気・嘔吐(激しい),腹痛・下痢。
潜伏時間 1〜6時間(通常3時間)
予防方法 手指などに切り傷や化膿性疾患のある人は,食品に直接触れたり,調理をさけること。
(やむを得ない場合はビニル手袋をすること)。
調理の際に帽子やマスクの着用をすること。
食品は10℃以下で保存し,菌の増殖を防ぐこと。
弁当やおにぎりは冷ましてから包装すること。
▼ウイルス性 (・・・特定の生物の細胞内でのみ増殖)
▼ ノロウイルス ←SRSV(小型球形ウイルス)は「ノロウイルス」と名称が変わりました
特   徴
ノロウイルス
冬季を中心に,年間を通して胃腸炎を起こす。
ヒトの体内(主に小腸)でのみ増殖する(食品中では増殖しない)。
60℃10分程度の加熱では病原性を失わず,塩素系殺菌剤や消毒用アルコールに対しても抵抗性がある。
感染経路は二枚貝,特にカキの関与が強く指摘されている。
また,感染者の嘔吐物や排泄物等から二次感染を起こすことがある。
学校や保育所などの集団給食施設での発生もみられるが,原因食品が特定できない事例が多い。
原因食品 二枚貝(特に生カキ)・ケーキ・サンドウィッチ・サラダなど,加熱しないで食べる食品。
主な症状 下痢(激しい水様便)・嘔吐・腹痛・発熱(38℃以下)。
通常は3日以内で回復する。
潜伏時間 24〜48時間
予防方法 加熱調理する場合は,中心部まで十分加熱(85℃1分以上)すること。
トイレの後や調理をする際,また食事の前に十分手洗いをすること。
下痢や風邪に似た症状がある場合は,なるべく調理に従事しないようにすること。
給水設備や調理器具の衛生管理を徹底すること。

【二次感染の予防】
ノロウイルスは,発症とともにふん便等に混じって排泄されることが多い。このため,嘔吐物や排泄物等に直接触れないよう,処理には十分注意すること(ビニル手袋等の活用)。
処理した後は,よく手を洗い,うがいをすること。

   
参  考
▼その他(自然毒等)
▼ 毒キノコ
特   徴
毒キノコ
植物性自然毒による食中毒のほとんどが,毒キノコによるとされている。
採取したキノコを,自己流で鑑定して食べた結果発症するケースが多い。
外見だけでは毒性を判断できない。
キノコ全体について,未知の部分が多く,毒性についても未解明な点が多い。
主な症状 胃腸毒:おう吐,腹痛等。
神経毒:発汗,幻覚,麻痺等。
重症の場合は死に至ることもある。
潜伏時間 食後10分〜6時間以上
予防方法 野生のキノコの鑑定は,専門家に依頼すること。
知らないキノコは「採らない」「食べない」「人にあげない」
※食用であっても,キノコは生食を避けるとともに食べ過ぎないこと。
▼ 貝毒
特   徴
貝
海水中の有毒プランクトンを捕食して蓄積した二枚貝を食べることにより発症する。
この貝毒の原因となるプランクトンは,一般に,海水温度が14℃前後となる4月中旬から下旬にかけて出現数がピークとなる。
原因食品 ホタテ貝・ハマグリ・アサリ・カキなどの二枚貝。
主な症状 麻痺性貝毒:食後30分程度で手足の痺れ,めまい,眠気など。重症の場合は呼吸麻痺で死に至ることもある。
下痢性貝毒:食後1〜2時間で下痢・嘔吐・腹痛など。
予防方法 広島県では貝毒の検査体制をしいており,規制値を超えた場合販売等を禁止して,毒化した貝類が市場に出ないようにしている。
※貝毒が発生した場合は、直ちに県から新聞・TV等を通じて広報を行います。
貝毒発生時には,発生地域において該当する二枚貝類を自分で採取したり食べたりしないようお願いします。
 ※潜伏時間=感染してから発症するまでの時間



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